皆田 正明

ダウンロード

幻想組曲 湖畔の乙女 全9曲 (zip 67MB)
組曲 はかない恋 組曲 広島 全15曲 (zip 71.4MB)

※ダウンロードが始まらない場合は、右クリックで「対象をファイルに保存」または「リンク先のファイルをダウンロード」を選択してください。

幻想組曲 湖畔の乙女 Fantastic suite Maiden of the lake

 この曲は、ある山村の乙女が都会から来た青年に恋をしますが、やがて、別れの時が来て、失恋した乙女が悲しみのあまり、湖に身を投じるといったストーリーを想定して作曲したもので、次の5つの曲からなっています。

1 幻想曲17分19秒
2 幻想円舞曲(2曲)13分23秒
3 ロマンス11分00秒
4 エレジー(4曲)17分25秒
5 フィナーレ12分15秒
 湖畔に散舞する桜花、夕映えの湖畔に打ち寄せるさざ波、乙女のやるせない運命的な恋、悲劇的な別れを暗示するかのような幻想曲に始まり、次々と哀調をおびた感傷的な旋律が現れた後、フィナーレでは、湖に身を投じる乙女の最期を思わせる――崩れるような下行音で曲を閉じています。
 正に、日本的情緒、ロマンチックな叙情性、はげしい情熱を内蔵した劇的な作品といえるでしょう。
 本曲は、知人の田村幸三氏が作られた次の詩に深い感銘を受けたことが、作曲のきっかけとなりました。
夕暮せまる 湖の
なぎさに思う 影ひとつ
夢ははかなく 夢ははかなく
さざ波の彼方に 消え去りぬ


第1曲 幻想曲 Fantasy
下の▶をクリックすると曲を聴くことができます。
シェアをクリックすると、この曲をあなたのフェイスブックでシェア出来ます。

第2曲 幻想円舞曲 Fantastic waltz ( 2曲 )

第3曲 ロマンス Romance

第4曲 エレジー Elegy ( 4曲 )

第5曲 フィナーレ Finale

組曲 はかない恋 Suite Fleeting love

ロマンチックな感じの曲、7曲を選び、組曲としました。


1 はかない恋 Fleeting love
下の▶をクリックすると曲を聴くことができます。

シェアをクリックすると、この曲をあなたのフェイスブックでシェア出来ます。

 本曲は、恋の花びらがはかなく散って行くような感じの情熱的なイントロに始まります。つづいて、哀愁に満ちた感傷的なメロデイが現れますが、これは、アルペジオで装飾されて、一層ロマンチックに展開されて、くり返されます。コーダでは、まるで、これが最期の恋であるかのように、満身の力をこめて、重音で切ない愛を訴えますが、最後は、霧の中に恋人が去って行くような雰囲気のうちに曲を閉じます。


2 夢よ さめないで Don't break my dream
下の▶をクリックすると曲を聴くことができます。
シェアをクリックすると、この曲をあなたのフェイスブックでシェア出来ます。

 本曲は、高熱を出して苦しんでいた妻が病床で、「わたしのために1曲作ってもらえないかしら。ロマンチックな曲を……、ね。」と懇願したことにより生まれました。
もともと、本曲は、歌曲として作曲したのではありませんが、曲をわかりやすくするため、ムードにあった歌詞をつけてみました。
曲は、きわめて優美で繊細な感じの序奏と「この詩を恋人にささげたい。」と訴えるイントロで始まります。つづいて、「夢よ さめないで」と嘆願する哀切なメロデイが現れますが、これが終わると,曲調は、急に明るくなり「夢よ いつまでも」と歌う幸福感に満ちあふれた甘美なメロデイになります。ついで、最初のメロデイが少し装飾されて回想され、静かに曲を閉じます。
夢よ さめないで

(いつまでも さめないで
 乙女の夢よ
 ささげたい この詩を
 愛する人に)

1 夢よ さめないで
  夢よ さめないで
  二度とできない 恋だから
  二度とあえない 恋だから
  どうぞ このままで
  夢よ さめないで
  さめないで〜 夢のなかで〜
  愛したあなた
  さめないで〜 命かけて〜
  愛したあなた

2 二度とできない 恋だから
  二度とあえない 恋だから
  どうぞ このままで
  夢よ さめないで
  さめないで〜 夢でいいの〜
  しあわせならば
  さめないで〜 夢のいまが〜
  しあわせだから

3 あなたの胸に いだかれて
  夢みる 恋の花園
  つよく つよく だいてね
  あゝ―――
  あなたと二人なら
  夢は パラダイスよ
  夢よ いつまでも

4 あなたの胸で みた夢は
  思い出の 恋の楽園
  つよく つよく だいてね
  あゝ―――
  あなたと二人なら
  夢は パラダイスよ
  夢よ いつまでも


3 バレンタインの夜 Night of Valentine
下の▶をクリックすると曲を聴くことができます。
シェアをクリックすると、この曲をあなたのフェイスブックでシェア出来ます。

 ローマ皇帝クラウディウスは、後顧の憂いを断つため、遠征する兵士の結婚を禁じました。これに反対したローマの司祭バレンチヌス( バレンタインは、英語読み )は、270年2月14日に処刑されました。
 バレンタインは,「愛の聖人」ともいわれ、聖バレンタインが殉教した日を記念して、2月14日は、カトリック教会の聖バレンタインの祝日となりましたが、これがバレンタインデーです。
 この日は、男女が愛を告白する日、特に女性から愛を打ち明けることが許される日とされています。
近年は、この日にチョコレートなどの贈り物に恋文を添えたりして、女性から男性に盛んに贈られるようになりました。
 誠にロマンチックな風習ではありますが、ムードの点で少しものたりません。
 恋のムードを高めるには、美しい音楽がぜひとも必要です。そこに、女性の悩ましい愛の歌でもあれば、いうことなしですが ……。
 本曲は、いかがでしょう。それに応えられるかも知れません。
曲の前半は、恋人に会いたい女性の胸中を切々と歌い、後半は、夜空の星のもとで一緒に愛を誓いたいので、今夜はどうしても会いに来て! と訴えます。コーダでは、会いに来た 恋人のもとに歓喜して走り寄り、二人が 互いに 抱き合ったところで、曲を閉じます。
ただ今恋愛中の皆様に、その恋が美しく実を結ぶよう心から祈念し、本曲を贈ります。
バレンタインの夜

あいたくて あいたくて
胸がせつないの
あいたくて あいたくて
胸がくるしいの
あいたくて あいたくて
しのび泣く わたしなの
あいたくて あいたくて
乱れゆく わたしなの

星に 願いを
熱い 思いを
あなたと誓いたいの
だから 今夜は
せめて 今夜は
あいに来て あなた


4 花のくびかざり The necklace of flower
下の▶をクリックすると曲を聴くことができます。
シェアをクリックすると、この曲をあなたのフェイスブックでシェア出来ます。

 広島市が2000年(平成12年)に募集していた「広島の歌」の候補作に選ばれていた歌詞「 あなたに会えるまち」に曲を付けさせていただいたのが、御縁で、作詞者の多和田さち子女史と知り合いになることができました。女性だけで構成された歌の団体「花のくびかざり」の歌手として活躍しておられ、そのコンサートに、たびたびお誘いを受け、妻と一緒に、聴きに行きました。
 本曲は、この団体名とは直接関係ありませんが、ふと、幼少期、ふるさとの田舎の田圃で、初夏にクローバーや蓮華の花を摘んで、今は 原爆で亡くなった姉とくびかざりをつくり、これを首にかけて遊んだ遠い昔のことが懐かしく思い出され、これが作曲の動機となり、本曲ができました。
 曲は、原爆で亡くなった姉を回想し、やゝ重苦しい感じのイントロに始まります。これが終わると、花のくびかざりをつけて軽快に踊るワルツの主題が出ます。中間部では、これが一層明るく軽やかで優美に展開されます。コーダでは、ふたたび主題が回想され、静かに夢見るように余韻を残して曲を閉じます。


5 夏の日の思い出 Memory of summer
下の▶をクリックすると曲を聴くことができます。
シェアをクリックすると、この曲をあなたのフェイスブックでシェア出来ます。

 避暑のため、病身の長男を連れて、妻とともに、広島県内を小旅行した夏の日の思い出を、曲にしたものです。
 本曲の、しっとりした流麗で、哀愁に満ちたメロデイからは、真夏の暑い日ざしと、強い絆で結ばれた母子のやるせない情愛がひしひしと感じられます。
 短命だった息子と母子の深い情愛を感じさせる曲調です。


6 最期のさようなら Good-bye of last
下の▶をクリックすると曲を聴くことができます。
シェアをクリックすると、この曲をあなたのフェイスブックでシェア出来ます。

 私たちは、この世に生を受けた以上、誰もが遅かれ早かれ、否応なしに、この世から永遠に別れを告げる時がやってくることを、覚悟しなければなりません。
 本曲は、病のため失明しつつある妻を介護していた夫が、逆に病魔に襲われ、妻を残して先立とうとしている情景を想定して作ったものです。
 曲の感じ方は、人それぞれ違いはあるでしょうが、本曲は、歌劇の悲劇的なアリアを思わせ、歌手の力量を存分に発揮し得る魅力的な曲といえましょう。
 私がこの世に生を受けて、すでに82年の歳月がまるで夢のように流れ去ってしまいました。 もしかしたら、本曲は、辞世の曲となるかも知れません。


7 湖畔の乙女 Maiden of the lake
下の▶をクリックすると曲を聴くことができます。
シェアをクリックすると、この曲をあなたのフェイスブックでシェア出来ます。

 本曲は、私より5歳年上で、広島市役所で一緒に仕事をしたことのある田村幸三氏の作られた次の詩に曲をつけたものです。
1 夕暮せまる 湖の
  なぎさに思う 影ひとつ
  夢ははかなく 夢ははかなく
  さざ波の彼方に 消え去りぬ
 幻想組曲 湖畔の乙女は、この詩をイメージして作ったものですが、これに時間がかかり過ぎたため、本曲が出来上がったときには、すでに田村氏は他界しておられ、聴いてもらうことができなかったのは、誠に残念なことでした。
なお、本曲の2、3番の歌詞は、私が補作いたしました。
補作した歌詞
2 静かに明ける 湖の
  なぎさに咲ける 白ゆりよ
  在りし乙女の 愛のかたみか
  わが恋は はかなく 消え去りぬ
3 幾年月が 流るとも
  帰らぬ湖の わが恋よ
  今は昔の 淡き思い出
  わが恋は 彼方に 消え去りぬ



組曲 広 島 Suite Hiroshima

ふるさと広島とその平和への思いを曲にした8曲を選び、組曲としました。



1 愛の祈り Prayer of love
下の▶をクリックすると曲を聴くことができます。
シェアをクリックすると、この曲をあなたのフェイスブックでシェア出来ます。

 原爆は、非常に多くの人々の命を無残に奪い去り、残された人々の心に、決して癒すことができない深い嘆き悲しみを残しました。
 残された私たちは、天寿を全うできず、無念の死を遂げた人々のため 、慟哭の涙を流し、冥福を祈り、「戦争は、今後2度とくりかえしません。」と、固く心に誓ったのでした。
 本曲は、原爆で最愛の家族や恋人などを亡くした人々が、8月6日の夜、原爆ドーム横の川面を静かに流れ行く灯ろうに、合掌して、一心に静かに祈りをささげている姿が、もの哀しくわびしいメロデイにより、くっきりと描き出されています。


2 慟哭の歌 Song of wail
下の▶をクリックすると曲を聴くことができます。
シェアをクリックすると、この曲をあなたのフェイスブックでシェア出来ます。

 原爆は、未曾有の甚大な惨禍をもたらしましたが、なかでも、最も悲惨に思われますのは、真夏のさなか動員されて働いていたおびただしい数の少年少女……、学徒の無残な死でした。
最愛のわが子を亡くした遺族、とりわけ、母親の嘆き悲しみは、いかばかりかと思われますが、それを和歌に詠まれた方もおられました。
 本曲は、それらの詞を、世の人々に、より広くより強く訴えようとして、曲をつけさせていただいたものです。
なお、前奏部分と4番の歌詞は、作曲者の私が補作いたしました。
 本曲は、かわいいわが子を原爆で亡くして慟哭する母親のやるせない嘆き悲しみが、切々と、私たちの胸を打ちます。 曲の終りでは、平和を、明日に向かって守りぬくことを誓い、犠牲者の冥福や永遠の平和を、合掌して祈りつつ、荘厳に曲を閉じます。


3 にんげんをかえせ Give back the human
下の▶をクリックすると曲を聴くことができます。
シェアをクリックすると、この曲をあなたのフェイスブックでシェア出来ます。

 この歌の歌詞は、昭和26年(1951年) に発刊された原爆詩集に序として載っている峠 三吉氏(1917年~1953年) のあまりにも有名な詩です。
 本曲は、見渡す限り、廃墟と化した原爆の焼け跡で、拾い集めた白骨の入っている骨箱をかかえ、天涯孤独になった人が、声をあげて泣き叫び、その場にくずおれるような……、そんな悲痛きわまりない歌です。何度もくりかえし、「かえせ、かえせ……」と訴える悲痛な叫びは、私たちの胸をはげしくゆさぶらずには、おきません。
 しかし、この深い悲しみは、やがて、平和への願望となって、力強く展開され、最期は、亡くなった人々の冥福や、永遠の平和を合掌して祈りつつ、静かに曲を閉じます。
 かけがえのない人の命――、それを礎として築いた平和の尊さを、世に訴える、正に、迫真の歌といえるでしょう。


4 折鶴の歌 Song of a paper crane
下の▶をクリックすると曲を聴くことができます。
シェアをクリックすると、この曲をあなたのフェイスブックでシェア出来ます。

 平和記念公園内の原爆の子の像や動員学徒慰霊塔などのまわりには、いつも、色とりどりの折鶴がささげられています。これらの折鶴には、平和を願う純真な心が込められています。
 これら折鶴たちは、私たちに「必死で何かを訴えようとしている」のではないだろうか。 ふと、私には、原爆で亡くなった姉の姿が思い出され、そう思えたのでした。
 本曲は、折鶴に託された平和に対する願いを、メルヘンチックな歌詞にしたものです。フィナーレでは、沢山の折鶴が一斉に飛び立ち滑空する情景が目に浮かびますが、本曲の圧巻といえましょう。
 世界中の人々がこぞってこの歌の中の一羽の折鶴となって,平和の心を育み、平和のために行動し、祈りをささげるならば、恒久平和の実現も、決して夢ではありますまい。


5 平和の園 Garden of peace
下の▶をクリックすると曲を聴くことができます。
シェアをクリックすると、この曲をあなたのフェイスブックでシェア出来ます。

 本曲の歌詞に出てくる白木山(889m)は、広島市では、最も高い山で、近年は、登山やハイキングに来られる人が多くなってきました。
また、三篠川は、その山麓の南側に流れている河川ですが、私の少年時代には、夏が来ると岸辺に蛍が飛び交い、風雅な夜を演出していました。
 平和の園は、これらの山や川がある安佐北区白木町の下三田下大椿の地に造園された私設の公園です。園内には、平和をアピールする歌碑や歌のボックスが設置してあり、しだれ桜やつるばら、花壇のぼたん、しゃくなげなど、四季折々の花が楽しめる美しい庭園です。
 本曲の作詞者、岡野正義氏は、私の高校時代の学友です。本曲は、平和の園のPRソングですが、歌詞に、ふる里の地名や山川などを巧みに取り入れて作られているので、ふる里のPRにもなっています。


6 市民農園音頭 Mita civil farm
下の▶をクリックすると曲を聴くことができます。
シェアをクリックすると、この曲をあなたのフェイスブックでシェア出来ます。

 三田市民農園(愛称 ふれあいファーム白木山)は、安佐北区白木町下三田の白木山の麓、JR芸備線の白木山駅の北東約200mのところにあります。
 本曲の作詞者竹内忠治氏は、下三田宮原の人で、ふる里の地名や山川を巧みに取り入れた歌詞を作られるのが得意と聞いています。
 曲のイントロの優雅なメロデイは、作曲者のふる里下三田への郷愁を表したものです。次いで、地方色の濃い歌詞が盆踊り風のリズムにのって、情趣豊かに歌われます。4番の歌詞の後には、間奏が入って一息入れます。コーダでは、「踊りんさい」をくりかえした後、歌や踊りが劇的なクライマックスを迎えたところで、くす玉が割られ、圧倒的な華麗さと興奮のうちに曲を閉じます。
 市民農園のPRに微力ながらも貢献でき、入園者と地域住民による「歌と踊り」の輪が広がって、これが地域の活性化につながれば、と願っています。


7 あなたに会えるまち The city I meet you
下の▶をクリックすると曲を聴くことができます。
シェアをクリックすると、この曲をあなたのフェイスブックでシェア出来ます。

 本曲は、2000年(平成12年)に広島市が募集していた「広島の歌」に多和田さち子女史が応募され、広島の歌の候補作に選ばれていた歌詞に私が曲をつけさせていただいたものです。
 原爆で姉を亡くしている私は、特に、2番の歌詞に魅かれ、曲をつける意欲がわきました。
 本曲からは、若い女性特有のういういしさ、ロマンチックな思いが心地よく伝わってきます。長い歌詞なので、全体を2つに分けて曲をつけました。
 作詞者の多和田さち子女史は、当時「花のくびかざり」の歌手として活躍しておられましたが、私も、そのコンサートにたびたびお誘いを受け、妻と一緒に、聴きに行きました。


8 平和の鐘 The bell of peace
下の▶をクリックすると曲を聴くことができます。
シェアをクリックすると、この曲をあなたのフェイスブックでシェア出来ます。

 戦争とりわけ,原爆は,未曾有の惨禍をもたらし、多数の人々の生命を奪いましたが、かろうじて生き残った人々は、なおも、過酷な苦難の深淵に投げ出されました。
 本曲は、この絶望の深淵からはいあがり、幾多の荒波、風雪に耐え、苦難の道を乗り越えて生きてきた人々や、これから生きていこうとしている人々に、生きる希望や勇気を鼓舞しようとして作曲しました。
 宇宙の雄大なスケールの中で、平和の鐘が荘厳に、地球上にくまなく鳴り響くよう、願いを込めて、力強い男性の声で、堂々と歌われます。
 21世紀の暁光は、全人類待望の平和の光明として、万象を照らし、この地球上に、くまなく平和の鐘が力強く鳴り響く日が、一日も早く訪れるよう、心から願い、祈らずにはいられません。