皆田 正明

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組曲 愛の祈り 全12曲 (zip 57.4MB)

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組曲 愛の祈り Suite Prayer of love

 本曲は、組曲 はかない恋と組曲 広島の中から親しみやすいと思われる曲を12曲集め、これに 組曲 愛の祈り という題名をつけ、編曲したもので、前半の4曲は、歌のないもの、後半の8曲は、歌のあるもので、構成されています。


1 愛の祈り Prayer of love
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New Ver. (Piano Strings)
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 原爆は、非常に多くの人々の生命を無残に奪い去り、残された人々の心に、決して癒すことができない深い嘆き悲しみを残しました。 残された私たちは、天寿を全うできず、無念の死を遂げた人々のため、慟哭の涙を流し、冥福を祈り、「戦争は、二度とくりかえしません」と、固く心に誓ったのでした。
 本曲は、原爆で最愛の家族や恋人などを亡くした人々が8月6日の夜、原爆ドーム横の川面を静かに流れ行く灯ろうに、合掌して 一心に祈りをささげている姿が、もの哀しくわびしいメロデイにより、くっきりと描き出されています。
 なお、本曲は、平成26年(2014)4月28日にエンジェルパルテで行った金婚式の式場で、私が妻のために演奏したピアノ曲が原曲ですが、このたび、このピアノ独奏曲にストリングアンサンブルを加えた曲ができましたので、これを最新バージョンとして追加収録いたしました。
 以前、妻が高熱を発し、病床で苦しみあえいでいたことがあります。その時、私は、どうすることもできず、ただ運命の神にすがって、ひたすらその回復を祈るほかありませんでした。
 本曲は、病身の妻に対するやるせない深い思いを、ピアノが哀切な美しいメロディにより、聴く人に強く訴えかけています。


2 夏の日の思い出 Memory of summer
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 避暑のため、病身の長男を連れて妻とともに、広島県内を小旅行した夏の日の思い出を曲にしたものです。
 本曲の、しっとりした流麗で、哀愁に満ちたメロデイからは、真夏の暑い日ざしと、強い絆で結ばれた母子のやるせない情愛がひしひしと感じられます。―― 短命だった息子と母子の深い情愛を感じさせる曲調です。


3 花のくびかざり The necklace of flower
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 広島市が2000年(平成12年)に募集していた「広島の歌」の候補作に選ばれていた歌詞「あなたに会えるまち」に曲をつけさせていただいたのが御縁で、作詞者の多和田さち子女史と知り合いになることができました。 女性だけで構成された歌の団体「花のくびかざり」の歌手として活躍しておられ、そのコンサートにたびたびお誘いを受け、妻と一緒に聴きに行きました。
 本曲は、この団体名とは直接関係ありませんが、ふと、幼少期ふる里の田舎の田圃で、初夏にクローバや蓮華の花を摘んで、今は原爆で亡くなった姉とくびかざりをつくり、これを首にかけて遊んだ遠い昔のことが懐かしく思い出され、これが作曲の動機となり、本曲ができました。 曲は、原爆で亡くなった姉を回想し、やゝ重苦しい感じのイントロに始まります。 これが終わると、花のくびかざりをつけて軽快に踊るワルツの主題が出ます。 中間部では、これが一層明るく軽やかで優美に展開されます。 コーダでは、ふたたび主題が回想され、静かに夢見るように余韻を残して曲を閉じます。


4 はかない恋 Fleeting love
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 本曲は、恋の花びらがはかなく散っていくような感じの情熱的なイントロに始まります。 つづいて、哀愁に満ちた感傷的なメロデイが現れますが、これはアルペジオで装飾されて、一層ロマンチックに展開されてくり返されます。 コーダでは、まるでこれが最期の恋であるかのように、満身の力をこめて、重音で切ない愛を訴えますが、最後は、霧の中に恋人が去って行くような雰囲気のうちに曲を閉じます。


5 最期のさようなら Good-bye of last
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 私たちは、この世に生を受けた以上、誰もが遅かれ早かれ、否応なしにこの世から永遠に別れを告げる時がやってくることを、覚悟しなければなりません。
 本曲は、病のため失明しつつある妻を介護していた夫が、逆に病魔に襲われ、妻を残して先立とうとしている情景を想定して作ったものです。
 本曲は、歌劇の悲劇的なアリアを思わせ、歌手の力量を存分に発揮し得る魅力的な曲といえましょう。 私がこの世に生を受けて、すでに82年の歳月がまるで夢のように去ってしまいました。もしかしたら、本曲は、辞世の曲となるかもしれません。
最期のさようなら   皆田正明

  ( おゝ 逝かないで
   わたしを 霧の中に
   ひとり残して … あゝ )

1 もうこれで 終りなのね
  涙をふいて あなた
  やさしさを ありがとう
  いつまでも 忘れないわ
  最期のお別れ さようなら

2 もうこれで 終りなのね
  涙をふいて あなた
  きょうまで ありがとう
  今夜こそ 花が散る
  最期のお別れ さような…
  さような… さようなら
  ねえ 逝かないで ねえ 逝かないで
  あゝ―――

  ( おゝ 逝かないで
   わたしを 霧の中に
   ひとり 残して… あゝ )


6 慟哭の歌 Song of wail
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 原爆は、未曾有の甚大な惨禍をもたらしましたが、なかでも最も悲惨に思われますのは、真夏のさなか動員されて働いていたおびただしい数の少年少女……、学徒の無残な死でした。
最愛の家族を亡くした遺族、とりわけ、子どもを亡くした母親の嘆き悲しみはいかばかりかと思われますが、それを和歌に詠まれた方もおられました。
 本曲は、それらの詞を世の人々に、より広くより強く訴えようとして、曲をつけさせていただいたものです。
なお、前奏部分と4番の歌詞は、作曲者の私が補作いたしました。
 本曲は、かわいいわが子を原爆で亡くして慟哭する母親のやるせない嘆き悲しみが、切々と私たちの胸を打ちます。 曲の終りでは、平和を明日に向かって守りぬくことを誓い、犠牲になった英霊の冥福や永遠の平和を合掌して祈りつつ、荘厳に曲を閉じます。

慟哭の歌
        詩:皆田正明

 (いとし児を 召された
  この母の 嘆きは
  永久に忘れじ 命枯れても)

1 如何にせん  詩:本地シズヨ
  姿は変わり 果てぬけど
  呼べば懐かし いとし児の声

2 いたわしや  詩:福原チエコ
  戦のために 散りし子は
  間近く開く 花の蕾を

3 真夏日の   詩:松田雪美
  燃えたつ さ中 苦しみて
  死せし生霊の 怒り忘るな

4 尊い命で   詩:皆田正明
  築きあげた平和ぞ
  ともに守らん 明日のために
  ともに祈らん 未来のために


7 にんげんをかえせ Give back the human
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 この歌の歌詞は、昭和26年( 1951年 )に発刊された原爆詩集に序として載っている峠 三吉氏(1917年~1953年)のあまりにも有名な詩です。
 本曲は、見渡す限り廃墟と化した原爆の焼け跡で、拾い集めた白骨の入っている骨箱をかかえ、天涯孤独になった人が、声をあげて泣き叫び、その場にくずおれるような……、そんな悲痛きわまりない歌です。 何度もくりかえし、「かえせ、かえせ……」と訴える悲痛な叫びは、私たちの胸をはげしくゆさぶらずにはおきません。 しかし、この深い悲しみは、やがて平和への願望となって、力強く展開され、最後は、亡くなった人々の冥福や永遠の平和を合掌して祈りつつ、静かに曲を閉じます。
 かけがえのない人の命――、それを礎として築いた平和の尊さを世に訴える、正に、迫真の歌といえるでしょう。
にんげんをかえせ  峠 三吉

( にんげんの よのあるかぎり
 くずれぬへいわを
 へいわをかえせ )

ちちをかえせ ははをかえせ
としよりをかえせ
こどもをかえせ
わたしをかえせ わたしにつながる
にんげんを かえせ
にんげんの にんげんのよのあるかぎり
くずれぬへいわを
へいわをかえせ


8 折鶴の歌 Song of a paper crane
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 平和記念公園内の原爆の子の像や動員学徒慰霊塔などのまわりには、いつも色とりどりの折鶴がささげられています。 これらの折鶴には、平和を願う純真な心が込められています。
 これら折鶴たちは、私たちに「必死で何かを訴えようとしている」のではないだろうか。ふと、私には、原爆で亡くなった姉の姿が思い出され、そう思えたのでした。
 本曲は、折鶴に託された平和に対する願いを、メルヘンチックな歌詞にしたものです。 フィナーレでは、沢山の折鶴が一斉に飛び立ち滑空する情景が目に浮かびますが、本曲の圧巻といえましょう。
 世界中の人々がこぞってこの歌の中の一羽の折鶴となって、平和の心を育み、平和のために行動し、祈りをささげるならば、恒久平和の実現も決して夢ではありますまい。

折鶴の歌  皆田正明

1 紙で折られた わたしは折鶴
  空を飛べない 折鶴のわたし
  あなたの涙で この胸を温め
  あなたの祈りで この翼羽ばたき
  みんなの胸に 心に飛んで行きたい

2 空を羽ばたき 世界の果てまで
  飛んで祈ります 平和の祈りを
  あなたの涙で この胸を温め
  あなたの祈りで この翼羽ばたき
  みんなの胸に 心に届く日まで

3 紙で折られた わたしは折鶴
  歌いつづけます 折鶴の歌を
  あなたの涙で この胸を温め
  あなたの祈りで この翼羽ばたき
  みんなの胸に 心に届く日まで


9 あなたに会えるまち The city I meet you
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 本曲は、2000年( 平成12年 )に広島市が募集していた「広島の歌」に多和田さち子女史が応募され、広島の歌の候補作に選ばれていた歌詞に私が曲をつけさせていただいたものです。
 原爆で姉を亡くしている私は、特に2番の歌詞に魅かれ、曲をつける意欲がわきました。
本曲からは、若い女性特有のういういしさ、ロマンチックな思いが心地よく伝わってきます。長い歌詞なので全体を2つに分けて曲をつけました。
 作詞者の多和田さち子女史は、当時「花のくびかざり」の歌手として活躍しておられましたが、私もそのコンサートにたびたびお誘いを受け、妻と一緒に聴きに行きました。

あなたに会えるまち  多和田さち子

1 あなたは感じているかしら
  手と手が触れあう喜びを
  いつか感じた喜びに も一度会える
  そんなまち
  あなたに会えて わたしは変わった
  上着を脱いで ステップ踏んで
  風になって包みたい
  あなたとわたしの 広島のまちを

2 あなたは知っているかしら
  川が湛える悲しみを
  忘れたくない悲しみを いつでも語れる
  そんなまち
  あなたに会えて わたしは変わった
  逝ってしまった あなたに代わって
  光になって照らしたい
  あなたとわたしの 広島のまちを

3 あなたは気づいているかしら
  ひとりひとりの輝きに
  命の数の輝きが あしたを変える
  そんなまち
  あなたに会えて わたしは変わった
  現在を越えて もっと高く
  時刻を きざんでつくりたい
  あなたとわたしの 広島のまちを


10 市民農園音頭 Mita civil farm
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 三田市民農園( 愛称 ふれあいファーム白木山 )は、安佐北区白木町下三田の白木山の麓、J R 芸備線の白木山駅の北東約200mのところにあります。
 本曲の作詞者竹内忠治氏は、下三田宮原の人で、ふる里の地名や山川を巧みに取り入れた歌詞を作られるのが得意と聞いています。
 曲のイントロの優雅なメロデイは、作曲者のふる里下三田への郷愁を表したものです。 次いで、地方色の濃い歌詞が盆踊り風のリズムにのって情趣豊かに歌われます。 4 番の歌のあとには、間奏が入って一息入れます。 コーダでは、「踊りんさい」をくりかえした後、歌や踊りが劇的なクライマックスを迎えたところでくす玉が割られ、圧倒的な華麗さと興奮のうちに曲を閉じます。
 願わくは、本曲が微力ながらも市民農園のP Rに貢献でき、入園者と地域住民による歌と踊りの輪が広がり、これが地域の活性化につながればと願っています。

市民農園音頭  竹内忠治

1 山深き 白木のふもと ヨイショ
  下三田郷の 農園は ソレソレ
  ふれあい求め 誰を待つ ~
  市民農園に 来てみんさい 踊りんさい

2 桜咲き 小鳥を迎え ヨイショ
  鍬で耕し 種を蒔き ソレソレ
  働く姿 ほのぼのと ~
  市民農園に 来てみんさい 踊りんさい

3 水清き 三篠の流れ ヨイショ
  苗に水遣り 草毟り ソレソレ
  花や葉の色 鮮やかに ~
  市民農園に 来てみんさい 踊りんさい

4 もみじ葉に 高鉢染まり ヨイショ
  芋や野菜を 取り入れて ソレソレ
  収穫祭り 賑やかに ~
  市民農園に 来てみんさい 踊りんさい

( 間 奏 )

5 炭焼きの 煙たなびき ヨイショ
  木枯らし吹いて 落ち葉溜め ソレソレ
  いのち育む 土づくり ~
  市民農園に 来てみんさい 踊りんさい
  踊りんさい
  あ――― ( くす玉を割る )


11 平和の園 Garden of peace
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 本曲の歌詞に出てくる白木山(889m)は、広島市では、最も高い山で、近年は、登山やハイキングに来られる人が多くなってきました。 また、三篠川は、その山麓の南側に流れている河川ですが、私の少年時代には、夏が来ると岸辺に蛍が飛び交い、風雅な夜を演出していました。
 平和の園は、これらの山や川がある安佐北区白木町の下三田下大椿の地に造園された私設の公園です。 園内には、平和をアピールする歌碑や歌のボックスが設置してあり、しだれ桜やつるばら、花壇のぼたん、しゃくなげなど、四季折々の花が楽しめる美しい庭園です。
 本曲の作詞者、岡野正義氏は、私の高校時代の学友です。 本曲は、平和の園のP R ソングですが、歌詞にふる里の山川などを巧みに取り入れて作られているので、ふる里のP R にもなっています。

平和の園  岡野正義

1 しだれ桜に 桃の花
  朝日に輝く つるバラ燃えて
  果てしない 青空に
  明るい明日を 信じて
  願いはひとつ 歌ひとつ
  人間世紀の 平和の園よ

2 蛍飛びかう 三篠川
  はるかにそびえる 白木の山も
  あの夏は 忘れない
  炎とのぼる 黒雲
  誓いはひとつ 愛ひとつ
  人間世紀の 平和の園よ

3 夢と希望の 花園は
  心に灯した いのちのあかり
  幾つもの 時を越え
  今なお人は 生きてる
  やさしさひとつ 夢ひとつ
  人間世紀の 平和の園よ

4 蛍飛びかう 三田三里
  はるかにそびえる 白木の山も
  あの夏は 忘れない
  悲しみ残る 黒雲
  誓いはひとつ 愛ひとつ
  人間世紀の 平和の園よ
  誓いはひとつ 愛ひとつ
  永久に遺さん 平和の園を

12 平和の鐘 The bell of peace
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 戦争とりわけ、原爆は、未曾有の惨禍をもたらし、多数の人々の生命を奪いましたが、かろうじて生き残った人々は、なおも過酷な苦難の深淵に投げ出されました。
 本曲は、この絶望の深淵からはいあがり、幾多の荒波、風雪に耐え、苦難の道を乗り越えて生きてきた人々や、これから生きていこうとしている人々に、生きる希望や勇気を鼓舞しようとして作曲しました。 宇宙の雄大なスケールの中で、平和の鐘が荘厳に、この地球上にくまなく鳴り響くよう願いを込めて、力強い男性の声で堂々と歌われます。
 21世紀の暁光は、全人類待望の平和の光明として万象を照らし、この地球上にくまなく平和の鐘が力強く鳴り響く日が一日も早く訪れるよう心から願い、祈らずにはいられません。

平和の鐘  皆田正明

1 夜空に きらめく この星( 地球 )に
  平和と 未来の夢を
  求めて お空を 仰げば
  あゝ 鐘は 鳴り響くよ
  大空の彼方に 夢をのせて響く

2 つらい試練を のり越えて
  生きゆく 世界の人に
  みんなで築いた 平和の
  あゝ 鐘は 鳴り響くよ
  大空の彼方に 夢をのせて響く
  「 あゝ 鐘よ 鳴り響けよ
  麗しき地球に 響けいつまでも 」(くりかえし)
  ラララ………
  あ―――